自閉症スペクトラムともいう広汎性発達障害を持つ子供は、
広汎性発達障害の診断がつくのが、だいたい3~4歳頃が多いです。
なぜ、その頃にならないと診断がつけられないのかというと、
言葉の遅れが、2歳以前には見つけにくいからだったりします。
ですが、2歳頃までの間にも、広汎性発達障害と
思われる赤ちゃんには、特性が現れます。
例えば授乳をしている時に、目線が合わなかったりします。
定型発達の多くの赤ちゃんは、授乳している母親と目で
コンタクトを取っています。お互いに認識しあっている、ということです。
ですが、広汎性発達障害の疑いのある赤ちゃんは、授乳している時、
目が合わず、その目は母親ではなく、天井を見つめていたりします。
また、1歳までの赤ちゃんで広汎性発達障害の疑いがある赤ちゃんは、
泣かなかったり、1人にされても平気だったり、また、
あやしても笑わなかったりの、特徴もあります。
ですが、それとは逆で、泣いてばかりで手がかかる場合もありますので、
その障害の現れ方は、人により違うようです。
広汎性発達障害の私も赤ちゃんの頃は、泣いてばかりで、
また夜泣きもよくしたようで、とても手のかかる子供だったそうです。
私の場合、その頃から広汎性発達障害の兆候があったのかもしれません。
広汎性発達障害の赤ちゃんは、泣かなかったり、一人にさせておいても
平気だったりするので、一見すると育てやすい子供に見られます。
そして、障害がはっきりしてくるのが、2~3歳頃です。
この頃になると、言葉の遅れが出てきたりします。
また、言葉が出たとしても、「パパ、ママ」ではなく、例えばテレビで
流れている芸能人の言葉をそのまま言ったりして、
意味の無い言葉をそのまま繰り返したりします。
それから、クレーン現象が出てきたりします。
クレーン現象とは、他人の手を取り、自分の用事をこなそうとする行為です。
このようにして、2~3歳頃に、特性が目立ち始めてきます。
そして、だいたいはっきりした診断結果が出るのが、3~4歳頃です。
この頃、私の母は、私が普通の子とは違う状態だったので、
児童相談所へ行き、専門家に相談したそうですが、
「大人になれば治る。」と言われたそうです。
しかも、母は、何度も専門家に相談に行ったのですが、行く度に
「大人になれば治る。」としか言われなかったそうです。
実際、子供の頃に広汎性発達障害の症状があっても、成長するにつれ、
普通の人とほぼ同じようになってゆく子供も沢山いる、
と私は精神科の担当医から聞いています。
ですが、全ての子供が普通の人のようになってゆくのではなく、
その障害がそのまま残り、大人になるにつれて、生活しづらくなる、
という障害として表面に出てくる人がいるのも確かです。
ですので私は、たとえ後々普通の人として生きられるようになる
可能性を秘めていても、症状が出ていたら、きちんと療育を受けていく、
ということもとても大切だと思います。
後々、その子供の障害特性がそのままなくなるかどうかは、
正直分からないのですから。
私が子供時代を過ごした昭和の時代には、発達障害者支援法
というものもなく、まだ広汎性発達障害という概念もありませんでした。
それで私は、見過ごされて大人になってしまい、2次障害の鬱、
対人恐怖症、神経症、不眠症等に悩まされるようになってしまいました。
今はそうした発達障害者のための支援法までできてきて、
本当に良い時代になってきていると感じています。
特に私の両親の世代は団塊の世代で、「根性だけで何でもできる!」
という考え方しかなかったので、両親は、未だに私の発達障害の
理解をしてくれない、しようとしてくれないです。
話がそれてしまいましたが、私は、たとえ後から普通になってゆく人が
多いとしても、きちんと3歳か4歳ぐらいまでの間に診断を受け、
療育等も受けた方が良いと思っています。